恋色カフェ
「何だか、俺が居ない間、妙な噂が飛び交っていたようだけど」
店長はその場にいたスタッフ全員へくまなく視線を向ける。アンバーには珍しく、ピリッと音を立てそうな空気に、誰も身じろぎ一つしない。
そうか、聞いたんだ──誰かから。
「どこから出てきたのかは知らないが、そんなありもしない話を勝手に信じて、チームワークを乱すようなことはしないでほしい」
淡々と話す中にも、鋭さが見え隠れしている。
──が、私は鋭さより、その言葉の中にどこか引っ掛かりを感じていた。
「計画が本格始動すれば、各スタッフの連携がどうしても必要になる。俺にこういう話をされてもまだ連携を乱す奴がいれば、こちらもいろいろと考えざるを得ない。
もちろん、バイトだとか正社員だとか、関係なく。
以上、では今日もよろしく頼む」