恋色カフェ




何せ、全て「ありもしない話」だったんだから。



最初からそう言えば────。


「先にあの空気をつくられたら、言えないですよ」


怜ちゃんは首を横に振ってから、そう、呟くように言った。



ポケットからハンカチを取り出して怜ちゃんに渡そうとすると、大丈夫あります、と彼女はエプロンのポケットからハンカチを取り出してみせる。

そうして彼女が小さく笑ったから、私も自然と口角が上がった。




「──良かったっすね」


背中に掛けられた声に足を止める。でも、振り向くのは躊躇われた。

怜ちゃんと別れた後、何だか急に泣けてきて、怜ちゃんに渡そうと思っていたハンカチを目に当てていたせいもあるけど。


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