恋色カフェ
下世話な疑問形が耳に入る度、私の聞こえないところでやってほしい、と思ってしまう。
何せ、私達の事情は誰も知らない訳で、その話の結論に正解が出ることはないのだから。
「……という訳で今回、アンバーをリニューアルすることにした」
──翌週。
店長が予告していた通り、ミーティングで計画の詳しい内容が発表された。
リニューアル、と言っても店内を全面改装する訳ではなく『蔦川工房(つたがわこうぼう)』という陶磁器の工房と契約して、その作品のテイストに合わせて店づくりをする、というものだった。
私が前にフロアで働いていた時も、店長はあるメーカーの雑貨に惚れ込み、1コーナーで全面的に展開する、といったことはあった。
──が、ここまでするのは、恐らく開店以来初めてじゃないかと思う。