恋色カフェ
その状態じゃお客さんの前に出られないよ、とたしなめ、倉庫から換えのエプロンを取ってきて勝沼君に手渡す。彼はバツの悪そうな顔をして、それを受け取った。
勝沼君は細身だからか、コーヒー色のエプロンが良く似合う。
新しいものに換えるのをこっそり盗み見ていれば、突然こちらを向かれてドキリとした。
「……俺、しつこいっすから」
何の前置きもなくそんなことを言われては、どう反応したらいいのかわからない。
「今度また、飯、行きましょうよ」
ああそういうことか、と。わかったところで、やっぱりどうすればいいかわからないのは一緒だ。
「嫌っすか?」
「…………嫌じゃ、ないよ」