恋色カフェ
嫌じゃない。むしろ、勝沼君と一緒にいるのは、心地良くすら感じる。
でも、これ以上気を持たせるようなことをしていい訳が無い。ましてや、彼を逃げ場にしちゃいけない。
苦しみから解放されようと逃げ込んだ先に見えるのは、楽園なんかじゃないと、私はもう知ってしまっているのだから。
「けど……」
「なら、いいっすよね」
鮮明に押し出された声に、たやすく遮られる台詞。彼は私の困惑した様子に動じることなく、今度はどこがいいすか、と笑顔すら見せている。
「あのさ、勝沼君……」
「俺はしつこいって言ったでしょ?」
彼はどこまでも、私に何も言わせない気らしい。
「積み重ねた時間やら、立場やらで、ハンデがあるんすから。俺に、チャンスを下さいよ」