恋色カフェ
「……店長に、」
「、え」
「何か言われた?」
訳がわからず、返す言葉を探す。
「何か、って……」
「何も、言われて、ないの?」
「特に、食器の説明ぐらいで……」
勝沼君は重ねていた手を外し、はあと大きくため息を吐くと、髪を掻き乱しながら、くそっ、と小さく吐き捨てた。
「あいつ……」
「何、どうか、したの?」
「いや……」
床に座りこんだ勝沼君をよく見ると、エプロンが派手に濡れている。
「エプロン、濡れてるけど……」
「ああ、これは手を拭いたから……」
客前に出る彼は、普段絶対にそんなことはしない。本当に何があったというのだろう。