恋色カフェ
言った後、さすがに照れたのか、彼は私をまた腕の中に閉じ込めた。
──────そうか。
どうして今まで、こんな単純なことに気がつかなかったんだろう──いや、違う。多分もうとっくに気がついていた。でも。
“終わらせる”勇気が、なかったんだ。
私はゆっくり、勝沼君の胸を押した。
「……ごめ……ううん、ありがとう」
ごめんなさい、と言いかけてから、何かが違う気がしてそう言い直した。
恐る恐る勝沼君を窺うと、沈みかけた瞳の中に、疑問の色を滲ませている。
「今、やっとわかったの」
中途半端でもいいと思っていた。むしろ、白黒つけたくなかった。グレーのままなら、傷つくこともないって。