恋色カフェ
『とにかく気をつけた方がいい。家知られてる訳だし。当分は誰かに送ってもらうとかして、1人にならないようにしろよ』
てっちゃんは帰り際、本当に心配そうな顔でそう言った。
いくらなんでも大げさじゃないか、と思ったけど、その後あかねから「財布取られそうになった子もいたみたいだし」と付け足され、驚きと共に背筋が冷たくなった。
2人を店の外まで見送り、ふと空を見上げると、濁りのない青が一面に広がっていた。吹き抜ける風も心地いい。
今、私の頭の中はこの空と対照的に、これ以上濁りようがない程ぐちゃぐちゃになってる。
いろんなことが一気に起き過ぎて、完全にキャパオーバー。
……本当にどうして、こんなことになってしまったんだろう。
店に戻って店長の姿を探すと、彼はまだキッチンに立っていた。ホールスタッフの邪魔にならないようにと、私は一度廊下に出てからキッチン側の扉を開ける。
「すみません、店長……」
「ああ、今そっち行くから、廊下で待ってて」