恋色カフェ
「許さないとか、そんなことないですよ。私は万由さんが戻ってきてくれて良かった、って思ってます」
怜ちゃんは万由さんに微笑んでみせる。他のスタッフも彼女の言葉に頷いている。
その状況に、万由さんはまたポロポロと涙を零した。
「そんな風に言ってもらえるとは思わなかった……」
信用なんて、些細なことであっという間に失われるもの。そう思っていた彼女にとって、この状況は意外だったのだろう。
でも、万由さんの働きぶりを一番間近で見てきたフロアスタッフが、そう思ったのも頷ける。
……正直言えば、少し、嫉妬してしまうくらい。
ハンカチで涙を拭ってから、万由さんは私の方を向いた。
「……戻ることに、したから」
「うん」
「店長も、了承してくれた」
「……そう」
俯き気味に話していた万由さんは、顔を上げ、私に視線を合わせる。
「……ごめんなさい……ありがとう」
万由さんはそう言って、今度は私に向かって深く頭を下げた。