恋色カフェ



万由さんが明日から復帰する、という話は、私達が万由さんの所に行っている間に、店長から全てのスタッフへ伝えられた。


もちろんスタッフの中には、彼女の復帰を快く思わない人もいた。私に陰でこっそり「復帰させて良いの?」と訊いてきた人もいた。

いろいろな考え方があって、当然だと思う。私だって、彼女に対して何とも思わない訳じゃない。


それでも私はやっぱり、このアンバーには万由さんの力が必要だと、そう思うから。



「本当に大丈夫ですか? 事務の仕事、溜まってたんじゃ……」

「大丈夫。心配してくれてありがとう、怜ちゃん」


いろいろな締め日が迫ってきていることもあり、今日はフロア勤務を早上がりさせてもらって、その後は事務所で仕事をすることになっていた。


「我儘言っちゃってるのは私の方だから。ほんと、ごめんね」

「そんな! 最近忙しくて、この辺全然整理出来てなかったんで、むしろ彗さんがいてくれた方が助かります」


今日でピンチヒッターも終わりか、と思ったら、途端に寂しくなった。勤務時間が同じなら、今日はラストまでフロアで仕事したい、と。勝手だとは思いつつも、フロアスタッフみんなに相談して、そうさせてもらうことにした。


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