恋色カフェ
「……どうすれば、償えるの」
秀人の中の傷は、思いの外深かった。
お金を渡せば、とか、そんな温かみのないことは考えていない。でもどうすれば秀人の心の傷が癒されるのか、私にはわからない。
「償うとか、めんどくさいのはいいよ。今日は彗を道連れにしようと思って来たんだから」
「道連れ……?」
「最後ぐらい、一緒にいようって」
「最後、ってどういう」
「いいから、一緒に来いよ」
「どこに行こうとして……」
「うるせーな、黙って来ればいいんだよ!」
秀人の腕が伸びてくる。腕を掴まれると、あっという間に羽交い絞めにされた。
「お前だけ幸せになるなんて、許せる訳ねーから」
「きゃ……っ!」
……助けて。
助けて! 店長……!
もうここにいる筈のない人物を思い浮かべて、私は心の中で必死に助けを求めていた。
「――いって!!」
ふいに、耳の後ろ側から聞こえた、秀人の悲鳴に近い叫び声。
羽交い絞めにされているせいで、後ろで一体何が起きているのか、全く状況がわからない。