恋色カフェ
セキュリティーのしっかりしているマンション。護身術を身に着けなければいけない暮らし……。
傍目には、自分の好きなことをして何不自由無く生きているように見えていたけど、彼は彼で、もしかしたらずっと生き辛い世界を生きてきたのかもしれない。
だから、だったんだろうか。
生き辛い世界に落ち込んでいる秀人を、放っておけなかった……?
「でもどうしてあの、弁護士を紹介するなんて……。そこまで店長がしなくても……」
秀人のことに対して私が、ありがとうございます、というのも、ごめんなさい、というのも何だかおかしな気がして。
言葉を迷った挙句、こんな嫌な言い方になってしまった。
「……あいつ。あのままほっといたらヤバかっただろ」
「ヤバかった、って……」
「……やっぱり。わかってなかったんだ」
店長は何度目かのため息を零す。
一瞬、こちらに視線を向けたかと思えば、むしろわかってないならそのままの方が、とか、彼は眉根を寄せながら独りでブツブツ呟いている。