定義はいらない
「……分かった。」

後悔というエキスが私の心臓に注がれる。

「なんで、こんなことになっちゃったんだろう?」

「どっちが悪いとかじゃないよ。」

私は冷静に返す。

この電話を切ったら、もう遥とは音信不通になるかもしれない。

また、大事な人が私の周りからいなくなる。

でも今回は今までと違う。

今回は自分で切る。

自分を大事にしてくれない人を求めて

自分を求めている人を切る。

私は一体何がしたいんだ?


「なんで何も話してくれないの?杏子に何があったの?」

「話すつもりない。」


遥には分からない。

分かればいいと思う。

分からなくてもいいと思う。


「幸せになってね。」


そう言って電話を切った。

きっと後悔するのだ。

『参加』でも『不参加』でも。
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