定義はいらない
それから太朗ちゃんは週に1回

私の家に通うようになった。

太朗ちゃんが毎週月曜日外勤先で当直をして

火曜日に外勤先で勤務をして

夜、うちへ寄って2時間滞在して

自宅へ帰るという習慣がついた。


月曜日の夜には決まってメールをする。

「明日来る?」

「行こうかな。」

どうせ来るくせに、もったいぶっちゃって。

「じゃあ、待ってます。」

「今、何してるの?」

「お風呂に入って本を読んでたところ。」

「お風呂後の君のを写真に撮って送ってよ。」

「無理。」

「できるだろ。」

卑猥なメールも私にとっては愛撫だった。


一晩かけた前戯を経て

翌日に彼が来る頃にはすっかり私の心も身体も彼を待っていて

私はいつの間にか彼を好きになっていた。
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