シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
「ん・・・アラン様・・あの・・こんなん・・・・ん」
重ねられた唇は、最初は遠慮がちで柔らかかったのが、どんどん強く激しくなっていく。
初めてキスされた時よりも、朝のキスよりも、数段上の身体が甘く痺れるキス。
―――アラン様の唇、ワインの香りがする・・・大人の香り・・・もしかして、少し酔っているの?
何度も強く激しく絡め取られ、徐々に何も考えられなくなって気が遠くなっていく。
背中の服を掴んでいた指も解け、ずるずると下におりていった。
唇から伝わってくるワインの香りで酔ってしまったのか、少しクラクラする。
自分の脚で立ってはいるが、最早身体はまるごとアランに預けてしまっていた。
「御疲れ様!」「失礼します」
交替が済み、階段を下りてきた3階の若い警備兵が、踊り場の光景を見て息を飲んだ。
何も言葉を発することが出来ず、足音をたてないようにそぅっと元へ戻っていく。
階段の上にいた兵が訝しげな顔を向けた。若い警備兵の顔が何故か真っ赤に染まっている。
「どうした?何故戻ってきた?忘れ物か?」
「いえ・・・今・・ちょっと・・」
階段の方を見て、若い警備兵は口を押さえた。
ここで話していてはアラン様に聞こえてしまう。
しかし、アラン様があんなところで、あんな風にされるとは―――いくら夜の王子の塔だからとはいえ、人目に付くこともあるのに。
現に私が見てしまったではないか。
「どうしたんだ。下に一体何があるんだ?」
「あぁーーっと、待った。行かない方がいいぞ」
「何をそんなに慌ててるんだ?まったく、こんな夜に・・・おかしいだろう。確認する」
夜勤の警備兵は、止めようと差し出された腕を制して階段を降り始めた。
2段ほど降りたところで、下からアランが上がってきた。
「何を騒いでおる」
「―――っ!アラン様・・・」
急いで階段を駆け上がり、隅に寄って頭を下げた。
腕には大切そうにエミリーを抱えていた。よく見ると、エミリーの頬は薔薇色に染まり、苦しげに吐息を漏らしていた。
美しい指先は、パーティ用の上等な服にしっかりと絡められている。
警備兵たちは居住まいを正して丁寧に頭を下げた。
「エミリー様はどうなされたのですか?フランク殿をお呼びしましょうか」
「ご苦労。何でもないゆえ、任務に戻るが良い」
夜勤の警備兵に向かって言った後、隣で立ちすくんでいる若い警備兵の耳元で、素早く囁いた。
「先ほど見たことは決して口外致すな。良いな」
若い警備兵は丁寧に頭を下げた後、声も出せない様子で、冷や汗をかきながら逃げるように階段を降りて行った。
夜勤の警備兵は、その姿を訝しげに眺めた。
重ねられた唇は、最初は遠慮がちで柔らかかったのが、どんどん強く激しくなっていく。
初めてキスされた時よりも、朝のキスよりも、数段上の身体が甘く痺れるキス。
―――アラン様の唇、ワインの香りがする・・・大人の香り・・・もしかして、少し酔っているの?
何度も強く激しく絡め取られ、徐々に何も考えられなくなって気が遠くなっていく。
背中の服を掴んでいた指も解け、ずるずると下におりていった。
唇から伝わってくるワインの香りで酔ってしまったのか、少しクラクラする。
自分の脚で立ってはいるが、最早身体はまるごとアランに預けてしまっていた。
「御疲れ様!」「失礼します」
交替が済み、階段を下りてきた3階の若い警備兵が、踊り場の光景を見て息を飲んだ。
何も言葉を発することが出来ず、足音をたてないようにそぅっと元へ戻っていく。
階段の上にいた兵が訝しげな顔を向けた。若い警備兵の顔が何故か真っ赤に染まっている。
「どうした?何故戻ってきた?忘れ物か?」
「いえ・・・今・・ちょっと・・」
階段の方を見て、若い警備兵は口を押さえた。
ここで話していてはアラン様に聞こえてしまう。
しかし、アラン様があんなところで、あんな風にされるとは―――いくら夜の王子の塔だからとはいえ、人目に付くこともあるのに。
現に私が見てしまったではないか。
「どうしたんだ。下に一体何があるんだ?」
「あぁーーっと、待った。行かない方がいいぞ」
「何をそんなに慌ててるんだ?まったく、こんな夜に・・・おかしいだろう。確認する」
夜勤の警備兵は、止めようと差し出された腕を制して階段を降り始めた。
2段ほど降りたところで、下からアランが上がってきた。
「何を騒いでおる」
「―――っ!アラン様・・・」
急いで階段を駆け上がり、隅に寄って頭を下げた。
腕には大切そうにエミリーを抱えていた。よく見ると、エミリーの頬は薔薇色に染まり、苦しげに吐息を漏らしていた。
美しい指先は、パーティ用の上等な服にしっかりと絡められている。
警備兵たちは居住まいを正して丁寧に頭を下げた。
「エミリー様はどうなされたのですか?フランク殿をお呼びしましょうか」
「ご苦労。何でもないゆえ、任務に戻るが良い」
夜勤の警備兵に向かって言った後、隣で立ちすくんでいる若い警備兵の耳元で、素早く囁いた。
「先ほど見たことは決して口外致すな。良いな」
若い警備兵は丁寧に頭を下げた後、声も出せない様子で、冷や汗をかきながら逃げるように階段を降りて行った。
夜勤の警備兵は、その姿を訝しげに眺めた。