シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
そこは、エミリーの部屋ほどもある大きさで、壁際にはクリーム色の調度品が揃えられ、真ん中ほどにはベッドらしきものがあった。
床には、何かのおまじないなのか、灯りの灯った蝋燭が等間隔にぐるっと並べられていた。
――ここは・・・どこかのお城の中?ギディオンのお城とは違うみたい。
あの人たちは何をしているのかしら・・・。
「シェラザード・・・。ヴェルタ!何とかならぬのか!?」
ベッド脇に佇む身なりの良い若い男性が、白いローブを着た男性に向かって声を荒げた。
ベッドの上にはつやつやと輝くようなブロンドの髪に、透けるような白い肌の女性がぐったりと横たわっていた。
呼吸は荒く、とても苦しそうにしていた。
「恐れながら王様、お妃様の病の原因は、どうやらこのリングにある様で御座います。このリングを外さない限り、病は進むばかり・・・。私の白魔術をもってしても、すでにもう、手の施しようが御座いません」
「このリングが・・・ガルタの魔術が、毒になったと申すのか?このリングが?」
シェラザードのか細い手首には、綺麗な彫り物を施した銀のリングが嵌められていた。
「私が依頼した時、ガルタはそんなことは申しておらなんだ。まことに、このリングが原因なのか?もう一度調べよ。もう一度白魔術を施せ」
王様はヴェルタの肩を掴み、激しく揺さぶった。
ヴェルタは辛そうに瞳を伏せ、唇を固く結んだ。
「王様・・・。天使の羽が生えるのを抑えるガルタの黒魔術は、シェラザード様には毒でございました。天使の力が強ければ跳ねのけられますが、シェラザード様は長くに地上に留まりましたゆえ、身体が毒に負けてしまったのでしょう」
「なんということだ・・・。シェラザード、私は何てことを・・・・辛かったであろう。もっと早くに知っておれば・・・・私はリングを外したものを――――」
王様は、ブルーの瞳を哀しげに揺らし、蒼白な顔でベッドに横たわるシェラザードの頬を撫で、輝くように白く美しい手をぎゅっと握った。
堅く閉じられていたシェラザードの瞼がゆっくりと開かれた。
綺麗な紫色の瞳がリンクの瞳を優しく見つめた。
「リンク様・・・そんなに悲しまないで・・・。お願い、そんな顔をしないで。私のために笑ってください・・・。最後に見た・・・愛するあなたの顔が・・悲しみに歪んでいるなんて・・私、嫌です」
「気をしっかり持て。シェラザード、お願いだ。私をおいて逝かないでくれ・・・君なしで・・・私はこの先どうすればいいのだ・・・どう生きればいいのだ」
床には、何かのおまじないなのか、灯りの灯った蝋燭が等間隔にぐるっと並べられていた。
――ここは・・・どこかのお城の中?ギディオンのお城とは違うみたい。
あの人たちは何をしているのかしら・・・。
「シェラザード・・・。ヴェルタ!何とかならぬのか!?」
ベッド脇に佇む身なりの良い若い男性が、白いローブを着た男性に向かって声を荒げた。
ベッドの上にはつやつやと輝くようなブロンドの髪に、透けるような白い肌の女性がぐったりと横たわっていた。
呼吸は荒く、とても苦しそうにしていた。
「恐れながら王様、お妃様の病の原因は、どうやらこのリングにある様で御座います。このリングを外さない限り、病は進むばかり・・・。私の白魔術をもってしても、すでにもう、手の施しようが御座いません」
「このリングが・・・ガルタの魔術が、毒になったと申すのか?このリングが?」
シェラザードのか細い手首には、綺麗な彫り物を施した銀のリングが嵌められていた。
「私が依頼した時、ガルタはそんなことは申しておらなんだ。まことに、このリングが原因なのか?もう一度調べよ。もう一度白魔術を施せ」
王様はヴェルタの肩を掴み、激しく揺さぶった。
ヴェルタは辛そうに瞳を伏せ、唇を固く結んだ。
「王様・・・。天使の羽が生えるのを抑えるガルタの黒魔術は、シェラザード様には毒でございました。天使の力が強ければ跳ねのけられますが、シェラザード様は長くに地上に留まりましたゆえ、身体が毒に負けてしまったのでしょう」
「なんということだ・・・。シェラザード、私は何てことを・・・・辛かったであろう。もっと早くに知っておれば・・・・私はリングを外したものを――――」
王様は、ブルーの瞳を哀しげに揺らし、蒼白な顔でベッドに横たわるシェラザードの頬を撫で、輝くように白く美しい手をぎゅっと握った。
堅く閉じられていたシェラザードの瞼がゆっくりと開かれた。
綺麗な紫色の瞳がリンクの瞳を優しく見つめた。
「リンク様・・・そんなに悲しまないで・・・。お願い、そんな顔をしないで。私のために笑ってください・・・。最後に見た・・・愛するあなたの顔が・・悲しみに歪んでいるなんて・・私、嫌です」
「気をしっかり持て。シェラザード、お願いだ。私をおいて逝かないでくれ・・・君なしで・・・私はこの先どうすればいいのだ・・・どう生きればいいのだ」