シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
「エミリー喋るでない。今、フランクを呼んでおる」
意識を失ったときに移動されたのか、ソファに座ったアランの膝の上に上半身を預け、頭は逞しい腕の中に抱えられるようにして、横たわっていた。
頬を叩いていた手はそのまま当てられ、叩いていたことを詫びるように優しく撫でていた。
「こんな夜更けに・・・わたしなら大丈夫です」
「駄目だ。君が良くても、私の気が済まぬ。このままでは心配で眠れぬゆえ・・・君に何かあったら私は」
コンコン・・・
『アラン様、フランク殿が参りました』
「入るが良い」
「王子様、失礼します。エミリーさんに何があったのですか?」
「フランク、こんな夜更けに呼んですまぬ・・・エミリーが急に意識をなくし倒れた故」
アランは膝の上で包み込んでいた身体をそぅっと起こし、フランクの診察を待った。
大きな掌は、エミリーの手を心配げに握っている。
「エミリーさん、今、気分はどうですか?目眩はしますか?」
「少し、クラクラしますけど気分は悪くないです」
軽く頷き、フランクは脈を計り一通りの触診をした。
そしてカバンの中から聴診器を取り出し、広く開いたドレスの胸元に当てた。
真剣な面持ちで診察をするフランクの眼鏡が月明かりにギラッと光る。
「王子様、エミリーさんはどこにも異常は見られません。御安心下さい。エミリーさん、どのように意識をなくされたのか、分かる範囲で構いません。お話願えますか?」
「フランク、彼女が意識をなくすのはこれで二度目だ。本当に、どこにも異常はないのか?」
フランクに詰め寄るように、ソファから身を乗り出すアラン。
握られた手にどんどん力が込められていく。
エミリーは頬を染めながら急いでアランに言った。
「アラン様、一度目は・・・あの、アラン様がその・・キスが―――」
「私のキス―――?」
真っ赤になるエミリー。思案げに瞳を伏せるアラン。
二人の様子を見て、フランクは眼鏡の奥を緩め、優しく微笑んだ。
「エミリーさん、一度目はいいです。その様子で、わかりますから。問題は今です」
「あ・・・はい。あの、さっきはアラン様の側にいて・・・声が聞こえてきたんです」
「声が?」
「はい、それであの・・・信じていただけないかもしれませんけど―――」
エミリーは暗闇の渦の中に入ったこと。光の中で見た出来事を詳しく話した。
アランとフランクは真剣な面持ちでエミリーの話に聞き入った。
意識を失ったときに移動されたのか、ソファに座ったアランの膝の上に上半身を預け、頭は逞しい腕の中に抱えられるようにして、横たわっていた。
頬を叩いていた手はそのまま当てられ、叩いていたことを詫びるように優しく撫でていた。
「こんな夜更けに・・・わたしなら大丈夫です」
「駄目だ。君が良くても、私の気が済まぬ。このままでは心配で眠れぬゆえ・・・君に何かあったら私は」
コンコン・・・
『アラン様、フランク殿が参りました』
「入るが良い」
「王子様、失礼します。エミリーさんに何があったのですか?」
「フランク、こんな夜更けに呼んですまぬ・・・エミリーが急に意識をなくし倒れた故」
アランは膝の上で包み込んでいた身体をそぅっと起こし、フランクの診察を待った。
大きな掌は、エミリーの手を心配げに握っている。
「エミリーさん、今、気分はどうですか?目眩はしますか?」
「少し、クラクラしますけど気分は悪くないです」
軽く頷き、フランクは脈を計り一通りの触診をした。
そしてカバンの中から聴診器を取り出し、広く開いたドレスの胸元に当てた。
真剣な面持ちで診察をするフランクの眼鏡が月明かりにギラッと光る。
「王子様、エミリーさんはどこにも異常は見られません。御安心下さい。エミリーさん、どのように意識をなくされたのか、分かる範囲で構いません。お話願えますか?」
「フランク、彼女が意識をなくすのはこれで二度目だ。本当に、どこにも異常はないのか?」
フランクに詰め寄るように、ソファから身を乗り出すアラン。
握られた手にどんどん力が込められていく。
エミリーは頬を染めながら急いでアランに言った。
「アラン様、一度目は・・・あの、アラン様がその・・キスが―――」
「私のキス―――?」
真っ赤になるエミリー。思案げに瞳を伏せるアラン。
二人の様子を見て、フランクは眼鏡の奥を緩め、優しく微笑んだ。
「エミリーさん、一度目はいいです。その様子で、わかりますから。問題は今です」
「あ・・・はい。あの、さっきはアラン様の側にいて・・・声が聞こえてきたんです」
「声が?」
「はい、それであの・・・信じていただけないかもしれませんけど―――」
エミリーは暗闇の渦の中に入ったこと。光の中で見た出来事を詳しく話した。
アランとフランクは真剣な面持ちでエミリーの話に聞き入った。