シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
――ここはどこ?わたし、一体どうしてしまったの?もしかして、死んでしまったのかしら―――
エミリーは目映いほどの光りの平原に、一人ポツンと立っていた。
光り輝く平原の奥に、小さな金色の光りの塊が浮かんでいるのが見えた。
それは、ふらふらとしながらこちらに向かってくる。
「あれは何かしら・・・」
注視していると、その光の塊は目の前に来ると、どんどん形が変わっていき、ふんわりとした女性の人型になり、頭の中に直接響いてくるような声が聞こえてきた。
「やっとお会いすることが出来ました。どれほどこの日を待ち望んだことでしょう」
「あなたは誰ですか?どうしてわたしに?」
「私が、あなたをこの世界に呼んだからです」
ふんわりとした人型から、はっきりとした姿に変わっていき、やがて豊かなブロンドの髪を持つ美しい女性の姿になった。
その光り輝くような容姿は、あの時見た―――あの時ベッドの中で苦しげに横たわっていた、あの方―――
「あなたは・・・・もしかしてシェラザード様?」
女性はにこりと柔らかな微笑みを浮かべ、ゆっくりと頷いた。
――シェラザード様がわたしをこの世界に呼んだの?何のために?
「エミリーさん、私の話を聞いて下さるかしら?」
エミリーが頷くと、シェラザードは輝くような光りを沈め、エミリーの手を優しく握った。
「私は今日というこの日を、長年待ち望んでいました。あなたに会える日を・・・。リンク様の願いを叶える今日という日を・・・。身が滅んでも月に姿を変え、今までずっとこの国を見守ってきました。リンク様が亡くなられた日も・・・ずっと彼を見守っていました」
「ギディオンに伝わる神話では、リンク王様も月に姿を変えたと書かれています。月が重なる夜はお二人が人間の姿になり、お会いになれると。そうではないのですか?」
シェラザードの顔が哀しげなものに変わり、紫の瞳はエミリーではなく遠くを見つめていた。
「そのはずでした。リンク様は、そう神に願い、神も願を聞き届け、そうするはずでした。でも、私がお断りしたのです。彼を月に変えないで欲しいと・・・。彼の魂を月に縛らないで欲しいと、神に願ったのです」
「どうしてですか?リンク王様を愛していたのでしょう?」
「先日、私の今際の際を、あなたに見ていただきました・・・今度は、リンク様の姿をご覧頂きましょう」
シェラザードが手を高く上げると、突然目の前の何もない空間に窓のようなものが出来、何か映像のようなものが映り始めた。
エミリーは目映いほどの光りの平原に、一人ポツンと立っていた。
光り輝く平原の奥に、小さな金色の光りの塊が浮かんでいるのが見えた。
それは、ふらふらとしながらこちらに向かってくる。
「あれは何かしら・・・」
注視していると、その光の塊は目の前に来ると、どんどん形が変わっていき、ふんわりとした女性の人型になり、頭の中に直接響いてくるような声が聞こえてきた。
「やっとお会いすることが出来ました。どれほどこの日を待ち望んだことでしょう」
「あなたは誰ですか?どうしてわたしに?」
「私が、あなたをこの世界に呼んだからです」
ふんわりとした人型から、はっきりとした姿に変わっていき、やがて豊かなブロンドの髪を持つ美しい女性の姿になった。
その光り輝くような容姿は、あの時見た―――あの時ベッドの中で苦しげに横たわっていた、あの方―――
「あなたは・・・・もしかしてシェラザード様?」
女性はにこりと柔らかな微笑みを浮かべ、ゆっくりと頷いた。
――シェラザード様がわたしをこの世界に呼んだの?何のために?
「エミリーさん、私の話を聞いて下さるかしら?」
エミリーが頷くと、シェラザードは輝くような光りを沈め、エミリーの手を優しく握った。
「私は今日というこの日を、長年待ち望んでいました。あなたに会える日を・・・。リンク様の願いを叶える今日という日を・・・。身が滅んでも月に姿を変え、今までずっとこの国を見守ってきました。リンク様が亡くなられた日も・・・ずっと彼を見守っていました」
「ギディオンに伝わる神話では、リンク王様も月に姿を変えたと書かれています。月が重なる夜はお二人が人間の姿になり、お会いになれると。そうではないのですか?」
シェラザードの顔が哀しげなものに変わり、紫の瞳はエミリーではなく遠くを見つめていた。
「そのはずでした。リンク様は、そう神に願い、神も願を聞き届け、そうするはずでした。でも、私がお断りしたのです。彼を月に変えないで欲しいと・・・。彼の魂を月に縛らないで欲しいと、神に願ったのです」
「どうしてですか?リンク王様を愛していたのでしょう?」
「先日、私の今際の際を、あなたに見ていただきました・・・今度は、リンク様の姿をご覧頂きましょう」
シェラザードが手を高く上げると、突然目の前の何もない空間に窓のようなものが出来、何か映像のようなものが映り始めた。