俺様王子にご注意を

自動販売機の前でコーラを
飲んでいると西本が近づいてきた。

「よう。」

「...おう。」

適当に挨拶を交わすと西本も俺と同じ
コーラを選んだ。

「...大宮さ、大倉とデキてたんだな。」

「...まあ、な。」

「幸せか?」

幸せ...?そんなの分からない。
だって考えた事がないから。

「俺は、玲奈を幸せにしたい...だけ?」

とっさに出た言葉がこれだった。

「ふうん...俺、諦め悪いんだよなー。」

「.....は!?」

「だから、俺は大倉を諦められない。」

「っっ.....。」
胸が締め付けられるように痛い。

「じゃあな。明日からよろしく。」

そう言うと西本は缶を捨てて
部屋に戻っていった。
俺はただそれを黙って
見送るだけだった。



これから起こる事が理解できない様な
気がしたからだったのかもしれない。
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