初恋は夢の中
「三和ちゃんは、まだ寝てるのかい?」
お母さんが、麦茶を先生に渡しながら言った。


「あぁ。まだ、ぐっすり寝てるよ…」
先生は、そう言って美和子の髪を撫でた。


「本当に、驚いたよ…。美加子さんに、そっくりで…。顔も似ていると思ったら、性格や仕草まで…。」

「あぁ…。僕も、美和子を見た時は、正直驚いたよ…。」

「まだ、美加子さんの事を…?」

「いや…。美加子の事は、忘れることは出来ない。しかし、美和子と一緒になって少しづつだけど、前に進もうと、進めると思ったんだ…。」

「そう…。それを聞いて、安心したよ。」

「母さん…。悪かったな。心配掛けて…。」

「お前が、このまま一人で居たらと思ったら、母さん、中々父さんの所に行くに行けないと思ってね…」

「母さん!な、なんて事を…。母さんには、まだまだ元気でいて貰わないと、俺だって美和子だって困るよ!美和子にとっても、たった一人のお袋なんだから!」


ごめん、ごめん。
と笑いながら、お母さんは謝った。


先生は、少々不機嫌に麦茶を一気に飲み干した。


お母さんは、まぁまぁ…と言って、先生をたしなめながら、麦茶を継ぎ足す。




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