シュウ教授の怪しい研究室

そんなとある朝、新聞を取りに築二十年の木造アパートに住む私が
外にある郵便受けに手を伸ばすと

そこに一枚のチラシが入っていた



“お金に困っているアナタ!”



チラシにでかでかと書いてある謳い文句の下に

簡単にお金稼げますよ


と見るからに怪しい言葉が書いてあった



――簡単に……かぁ



不慮の事故で両親を無くし、今は保険金で学費や生活費を賄っているが

それも時間の問題


しかも将来のためにと少ない給料、全部貯金していた仕事もクビにされ

正直これからの生活やっていけるかどうか……



部屋に戻った私はひとまず小さなコタツに足を入れてチラシを読み始める



「土日休み。勤務時間、給料は要相談か…。結構いいんじゃない?」


テレビの正月番組をつけながら、
首にはマフラーを巻き、キルト生地のはんてんを着込んでしっぶいお茶を一口




肝心の仕事内容は……




“簡単な実験手伝いです”




「……」


――それだけ!?

いや、もっと具体的な内容とかないの!?



しかも簡単な実験手伝いとは……??


不思議いっぱいのバイト



何故か興味惹かれた私は
連絡先の大学院へ電話したのだった
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