シュウ教授の怪しい研究室
で、現実に戻り
研究室と札に書かれた扉の前に立つ私
朝八時に来てくださいと男性の声で連絡を受け、やってきたものの
よほど自分みたいな子供が珍しいのか
廊下を歩く白衣姿の成人男性やら女性達が、ジロジロと物珍しそうに見つめてくる
しまいには
「中学生が何か用?」
と扱われる始末
ムッとしながらもその人に事情を説明すると
ここに案内されたというわけだ
コンコン
とりあえず扉をノックしてみるが全く応答がない
コンコンコンコン!
回数増やしても無意味でした
「あの……」
ドアノブに触れて回すと扉は簡単に開いて
私は恐る恐る室内を覗きこんだ
三十畳ほどの広い室内には実験用具や精密機器が置かれ
壁の棚には書籍がズラリと並んでいる
室内が暖かいのは隅に置かれた巨大なオイルヒーターのおかげだろう
部屋の中心に黒いソファーがドーンと構えており
ガラスのテーブルの上には灰皿が置かれていた
「あのー、先日電話した秋葉繭ですけど…!」
扉をしめて声を上げて室内に響かせても無音
「あのーっ!」
若干キレ気味で言ったその時
初めて部屋の奥でバタンと音が聞こえてきた