すれ違う恋の行方
『ん~イイ天気っ!』


外に出ると、春の風がそよそよとなびき、あたしの髪を揺らした。

さすがにこの時間だと、あまり制服を着た生徒は見つからない。



なんたって今日は…


始業式。


今日からあたしも高校二年生となる。


あたしってば、新学期早々、遅刻なんてやるじゃん!

なんて悠長なことばかり考えて、とくに急ごうとは思わなかった。


だってどうせ、少しの遅刻でも大幅な遅刻でも、怒られるのは同じだもんね。


『着いた~』


歩いて20分。
家から近いってだけで選んだ高校。


あたしはすでに人の波がない校門をくぐった。
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