好きになんかなるハズ無い!!
「お父様、お母様、お兄様、美名はこれから不良になります……」


チラッと穏やかな寝顔をしてる李子を見てから、教室を抜け出す。


先生方に見つからない様に気配を消して屋上に向かった。


もし見つかったら……考えただけで怖いーーーっ!!


「見つかりません様に………」


呼吸さえも浅くして、一歩一歩足を進める。


階段を登り、角を曲がり、とうとう屋上の扉の前までたどり着いた。


「誰にも見つかってないよね?」


念の為、ササッと左右を見渡す。


人っこ一人いなくて安心したが、真っ暗闇の恐怖が今更襲って来た。
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