赤い狼 四
「"それ"、燃やそう。」
俺を睨むのを止めて、自分の手の中にある黒い手紙を穴が空くほど見つめる隼人にそう言い放つ。
"ひな"の事だ、絶対ぃぃ事なんてない。
その手紙の内容はどんな内容であれ俺等にとって最悪なもの。
読んでなくても分かる。
だって、あの"ひな"だよ?
俺等を利用して突然姿を消した、許せない事をした女なんだから。
その場から動かずに黒い手紙を見つめている隼人をジッと見つめる。
そして、暫くしてからゆっくりと顔を上げた隼人が俺をしっかりと見つめて口を開いた。
「………燃やすな。」
「燃やせよ。」
「燃やす必要がねぇ。」
「燃やす必要なんて沢山あるだろうが!」
落ち着いた様子で俺を見据える隼人の胸ぐらを掴む。
燃やす必要がない?ふざけんな!
「隼人が一番燃やす必要があるだろ!あんなに散々な事されておいて平気なのかよ!何で今更あの糞女が………うっ、」
「奏っ!」
隼人に頭を殴られてグラリと視界が揺れ、フラフラと後退りをする。
いった…。コイツ、本気で殴りやがった。