赤い狼 四
「な、何言ってるの、奏!」
でも、稚春はそんな空気を一気に破った。
「そんな事したら隼人に一生懸命手紙を書いた"ひなちゃん"が可哀想じゃない!」
《SINE》が聞きたくないであろう、言葉と共に。
「…んだと?」
連が眉間に皺を寄せて稚春を見つめる。
「だから、それを書いたのは私じゃなくて…"ひな"って子が書いたのっ!」
「…胸くそわりぃ。」
稚春の説明を聞いた連は、そう一言呟いてソファーに腰掛ける。
それを見て、予想通りの反応だなぁ。と苦笑いを溢した。
連は"ひな"が嫌いだったもんね。
女とかどうとかじゃなくて、"ひな"自身が連は嫌いって言ってたし…やっぱり、そうなっちゃうよね。
嫌いな奴はとことん嫌う主義の連が"ひな"を好きになる事なんてこの先、一生ないだろうなぁ。なんて思いながらこめかみを押さえる。
未だ治まらない頭の痛みが腹立たしい。
早く治ってくれないかな、と思いながら隼人を視界に入れる。