赤い狼 四
「私を構ってられるのは、暇がある時しか出来ないんでしょ?今は暇なんてないんでしょ?忙しいんでしょ?
それならいいよ。隼人は《SINE》の頭だし、私一人に隼人の大事な時間を使ったりなんてしなくていい。
だから、いっておいでよ。私より用事を優先して。」
私を睨みつけてくる隼人から目を逸らさずに話す。
最後の言葉は少しだけ、嫌味を感じさせるように言った。
「怒ってんのか?」
「怒ってない。早く行かないと用事、あるんでしょ?」
顔色を窺ってくる隼人にニコリと笑って隼人の胸板を押す。
いい加減退いてほしい。重くてしょうがない。
「ねぇ、退いて。」
「………。」
「ちょっと、聞いてるの?」
「………。」
「ねぇって「なぁ、お前さ。」…何よ。」
話し掛けても反応しなかった隼人が急に私の髪の毛の中に手を入れてきて、顔を顰める。
だから、私に触らないで。
そう言おうと口を開いたけど止めた。
それは隼人が私の頭を優しく撫で始めたから。
隼人の冷たい手が私の頭をてっぺんから耳の辺りまで伝う。