赤い狼 四
でも、そんな事を今更思って、後悔してももう遅ぇ。
あの日、《SINE》の大事な仲間がこの世から居なくなったのは確かで。
隼人の唯一の弟が死んだのは、確かだ。
そしてあの日、妃菜ちゃんに呼ばれた隼人を庇いに行かなかったら―――誠也は死なずにすんだ、というのも確かだ。
だけど、それはもうどうしようもねぇ事で。もう過ぎた事。
でも、俺の胸のどこかがあの二年前から止まってる時があるのも確か。
その証拠に、誠也の名前を出した事なんてあれから一回もねぇ。
もちろん、《SINE》の奴等の口から聞くことも。
――――認められねぇんだ。"誠也はあの日、死んだ"なんて。
認めたく、ねぇんだよ。
俺も。奏も。連も。棗も。隼人も。《SINE》の奴等、全員。
またいつか、
「銀さんっ!」
って走ってやって来るって思っちまうんだ。
お前の死が、受け止められねぇんだよ。
情けねぇよな。
あんなに慕ってくれたのによ。
馬鹿だよな。未だにお前の墓に顔見せに行けてねぇなんてよ。