赤い狼 四
………つーかアイツ、自分が問題出したいとか言いそうだな。
駄目だ。煙草を吸われちゃあいけねぇ。
このゲームは中止だ、中止。
額に掌を押し付ける。
危ねぇ。隼人に殺されるところだった。
つーか落ち着け、俺。
ここには隼人は居ねぇ。
気持ちを落ち着かせるためにもう何本目か分からねぇ煙草を口にくわえる。
やっぱり落ち着くには煙草に限る。
「でも、わりぃが俺は隼人はまだ妃菜ちゃんの事を想ってると思うぜ。
奏や皆がもう前みてぇに歓迎してくれねぇのは分かってると思うが…。隼人は、本当に妃菜ちゃんの事を溺愛してたからな。」
「…もし隼人があの女を選んだら俺は《SINE》を辞める。」
「あぁ。そうしてくれ。稚春ちゃんを連れて、出てってくれ。」
奏に煙を吹きかけながら真剣に、言う。
アイツは傷付けたくねぇ。
察しがいい奴だから今の《SINE》の状態にも、もう気付いてるかもしれねぇが
一人で《SINE》を抜けさせるよりかは誰かと一緒に抜けさせた方がアイツが少しでも傷付かなくていいだろう。
何だかんだ言いながら結構、稚春ちゃんは気に入ってんだ。
何より、真っ直ぐに俺を見てくれるからよ。