赤い狼 四





「危険大!直ちに避難警報を鳴らして下さい、朋保安官!私はその間に遠い彼方に飛んで逃げますから!」



「ラジャーブラ…ゴフッ!「早く行くぞ。」」




私が飛んで逃げる前に朋さんが飛んでいった。



それはそれは素晴らしい飛んでいき方だった。



一瞬の出来事でよくは見えなかったけど、今、私の目の前でこめかみ辺りに青筋をうっすらとたてている悪魔様に

華麗なアッパーを受けて飛ばされた直後に朋さんが自ら三回転をしながら飛んでいったのが微かに見えた。




芸術だ。ムービーを回していたらよかった、とこんなに後悔したのは初めてだ。

是非とも巻き戻ししてスローモーションで視聴したかった。




くうっ、と悔し涙を服の袖で拭う。




「朋さん、カムバァアァークッ!」



「馬鹿が。付き合いきれねぇ。」




だけど、今度こそ私は悪魔様に捕まった。



何だよ。最近、酷くなっちゃってさ。最初はすんごく優しかったじゃない。




「次、変な行動してみろ。全身の毛を抜いて地中深くに埋めてやる。」




最初は…優しかった……よね?




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