赤い狼 四

一気に質問した私に雷太が「覚えきれないっスよ。」苦笑いを溢す。それに眉毛を下げて苦笑いを返した。



聞きたいことがいっぱいありすぎてもう、限界なんだよ。





「…稚春さん、言っていいんですか？もしかしたら稚春さん聞いたら苦しくなるんじゃないっスか？」




眉をハの字にさせた雷太が覗き込んで心配そうな声を出す。


それに「だから私は隼人のこと好きじゃないよ？」なるべく明るく答えた。




「…じゃあ言いますけど、後悔しないでくださいよ。」



「後悔するかしないかは聞いてからじゃないと分かんないからその約束はできないや。」



「…確かに。あー、えっと。隼人さん…、は妃菜さんをとても大事に思ってました。一目で分かるくらいに。」



「その時の隼人、優しかった？」



「そうっスね。今より少し尖ってましたけど妃菜さんにはとても優しかったっスよ。」



「へぇー。」



「………。」





間延びた感想を口から出すと雷太が私の様子を窺ってくる。さっきからなんなんだ。言いたいことがあるならハッキリ言え。