死せる朝日の会
ここに来た時以来のやりとりに、俺は微妙に答えにくい状況に困る。
「いや、何も。」
小さな声で返す。
「ヒナ。それがお前の本当の名前だ。私はこのルール内において、神と近い存在なんだ、だから少なからず私の影響を受けたのかもしれんな。」
そうか、俺自身も記憶が戻るのを期待したんだがな。
「まあ気にしても仕方ないな、どうせゲームをクリアすれば強制的に記憶は戻るんだ、焦らなくてもいいだろ。」
そうなの?
「とりあえずヒナ、さっきも言ったが倉庫に行って、358番の中身を持って来い。」
倉庫? そんなのあったっけか? 俺が首を傾げていると。「ああ、それならここに。」
と、ルーベンスが持っていた紙袋をパステルに渡した。それを開けて中をのぞき込んだパステルは、何故かルーベンスと握手をして、
「なかなかやるな。」
「恐れ入ります」
と、意味不明なやりとりをしたかと思うと、部屋を出て行ってしまった。 まさか逃げられて無いよなこれ?
< 145 / 258 >

この作品をシェア

pagetop