死せる朝日の会
今さら負けを認めない訳にはいかないよな、 俺はヒナに向かって頷いた。
「よし、では俺を見ろ。 そして自分の罪を噛み締めながら答えるがいい。 俺達の勝ちだハイラクス、いや…、神よ。 負けを認めるな?」
俺はヒナをまっすぐに見て、
「認める、お前達の勝ちだ。」
と答えた。 でも、それでいいんだ。 俺は自分のわがままで全ての人類を巻き込んでしまった。 それはたった一つだけの願い事を叶えたいが為だけに。 そして、俺の願いは叶えられた、目の前の人間の手によって。
「いつ気がついた? 俺が犯人だと。 まさか神である俺を追い詰めるとはな。」
するとヒナは、俺の横で鏡に向かってポーズをとりながら、
「別に、確証はなかったさ。 単なる消去法だな。 それに、お前が用意した設定にはいろいろ無理があるんだや、だいたいテロリスト集団ごときが核ミサイルなんて持っているはず無いよな。 お前の嘘はわかりやすい、だが、それ故に気がつかなかった。」
そうか、あの時は焦っていたからな。
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