Tokyo Midnight
「美菜子・・・」

その箱は私の手の上に置かれた。

「・・・これ・・・」

「まだ解決しなければいけないことは山ほどあるが、俺はお前と一緒にいたい」

ゆっくりと開かれた箱からはキラキラと輝くペアリングがあった。

「・・・・女ってのはこういうの好きだろ」

彩斗さんはそのリングを取ると、私の返事もまたずに再び左手の薬指にそのリングを通した。

「・・・今までのことは悪かったと思ってる。お前にあいつを重ねてたことも確かだ。でも・・・」

彩斗さんは当たり前のように、男性用のリングを自分の左手の薬指に通す。

「・・・お前はあいつとは違う。守ってやりたいと思った」

彩斗さんは私の左手をとると、まるで永遠の愛を誓うかのように薬指にはめられた指輪にキスを落とした。
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