Tokyo Midnight
Tokyo Midnight【5】
「美菜子!!」

深夜2時

彩斗は美菜子の名を叫びながら目が覚めた。



あぁ・・そうか・・・


薄暗い部屋の中を見回して、ようやく自分が出張で上海に来ていることに気づく。

開けっ放しのカーテンの向こうには美しい上海の夜景が広がり、なんだか夢うつつな気分にさせられた。


彩斗はそのままふらふらと立ち上がると、ベランダへと出る。

外灘から流れてくる風はやはり日本とは違う香りがした。

彩斗はベランダのフチに腕をついて体を伸ばした。

そして、ゆっくりと部屋の中を振り返る。

そこに美菜子はいない。

近くのテーブルに置いた携帯に目をやったが、着信ランプは点灯していなかった。
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