貴方の愛に捕らわれて
猛side
あいつを見つけたのは、ほんの気まぐれからだった。
半年ほど前、俺は親父の組を継いだ。
俺が継いだ郷田組というのは、東日本で最大の勢力を誇る、デカい組だ。
どんな組織でもトップが交代するとなれば、色々とゴタつく。
そこを狙って仕掛けてくるヤツもいる。
188cmの身長に広い肩幅、鍛え上げた分厚い胸板は威圧感しか与えない。
しかもゴツい鼻に分厚い唇の厳つい人相は、どう見てもカタギには見えない。
そして一重の鋭い目は、内面の冷酷非情さを如実に物語っていた。
俺は鬼虎と呼ばれ、誰からも恐れられていた。
この街で俺のことを知らないヤツなどいない。
そんな俺でも、組長を継いだ直後から、命を狙われることがあった。