貴方の愛に捕らわれて
榊の処置で、ひとまず呼吸の穏やかになった香織。
薬の影響で暫くは目を覚まさないという香織を智也に任せ、後ろ髪を引かれる思いで、仕事を片付ける為にマンションを後にした。
仕事の途中、ふと香織の当面の着替えを用意してやる事を思いついた。
自分の物も自分で用意した事がないくせに、香織の物は龍二や智也に、用意させる気にはならなかった。
どうしてだか、香織の物は俺が選んでやりたいと思った。
だが、何が必要で何処に売っているのかが、さっぱり分からない。
だから龍二に若い女が好むブランド店に案内させた。
初めは、4~5日分の着替えなどを用意して、後から香織を連れて行って、好きな物を選ばせるつもりでいた。
ところが、俺が用意した物を身につける香織を想像したら、着替えどころか、鞄や靴といった小物にいたるまで、結構な量を買っていた。