貴方の愛に捕らわれて

オロオロしながら何度も礼を言い、これ以上は必要ないから止めて欲しいと必死に訴える香織。



服や鞄が好みに合わない訳ではないらしい。



なのに何故喜ばないいんだ?



寧ろ困っているようにもみえるが……。



今まで俺の周りにいた女なら、服や鞄を与えれば鼻にかかった甘ったるい声で媚びを売り、次は何が欲しいと身体をスリ寄せ強請って来た。



まあ香織が媚びを売るとは思わなかったが、笑顔で喜んでくれるとは思っていただけに、俺も龍二達も唖然とした。



嬉しいと思うのであれば、喜んで使うようにと諭す龍二の言葉で、おずおずと俺を見上げる香織。



不安げに揺れる瞳に使ってくれるか?と問い掛ければ、やっと『嬉しい』と頬を上気させ、はにかんだ微笑みを見せてくれた。



本当に、こんな女は初めてだ。



 

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