貴方の愛に捕らわれて
漸く、香織の母親の妹夫婦が、香織を引き取る事になった。
しかし、香織はそこで、まるで使用人のように扱われた。
いや、使用人の方がまだマシだったろう。
引き取られた当時、まだ小学生だった香織は友達と遊ぶ事も許されず、学校から帰るとすぐに家事をさせられた。
子供の足で20分もかかるスーパーから、毎日重たい荷物を抱えて帰る香織の姿を、近所の住民はよく覚えていた。
買い物から帰ると、夕飯の支度や掃除に洗濯と、奴隷のようにこき使われた。
一度、香織がインフルエンザで高熱を出した時など、家事をサボるための仮病だと折檻され、雨の中を何時間も庭に立たせたまま、自分達は外食に出掛けたそうだ。
その結果、庭で倒れている香織を隣人が発見し、救急車で運ばれ入院をする騒ぎとなった。
それだけじゃない。香織の叔母は、精神的にも香織を追い詰めていた。
香織の叔母は、小さな頃から綺麗で賢い姉と比較され、溺愛されてきた姉に対して、根深い嫉妬心を抱いていた。