貴方の愛に捕らわれて

香織が生まれてすぐに引き取った祖父母は、地元では有名な旧家で、なかなかの資産家だった。



香織の母親は、その家の長女として、何不自由なく暮らしていた。



小さな頃から綺麗で賢かった香織の母親は、それはそれは甘やかされ、とても我が儘に育った。



何をしても怒らない両親に、有り余る程の小遣い。そして綺麗な容姿。



取り巻き連中はろくでもない奴ら。



香織の祖母が気がついた時には、16才で父親の知れない子供を産むしかない事態となっていた。



世間体もあり、出産と同時に、香織の母親は生まれたばかりの娘を残して家を出た。



娘を甘やかして育てた事が全ての原因だと考えた祖父母に、香織は小さな頃から厳しく躾られた。



そんな祖父母が亡くなると、香織は親戚の間を転々とした。



施設に入れる事も検討されたようだが、旧家としての世間体が、それを許さなかったようだ。



 

< 164 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop