貴方の愛に捕らわれて
叔母は、その鬱憤を香織に当たる事で解消した。
お前にはフシダラな母親の血が流れていると言って、香織が女の子らしい格好をする事を極度に嫌った。
洋服はいつも、自分の息子の良一のお古を着せ、髪は自分の手で短く切りそろえる。
友達と遊ぶ事も出来ず、従兄のお古を着せられ、いつも不揃いに切られた短い髪をした香織。
それに従兄の良一は香織に対して、日常的に暴力をふるっていた。
いつも体のどこかに青あざを作っていた香織は、イジメのターゲットとして格好の存在だった。
学校でイジメられ、家に帰っても叔母や従兄から虐待を受ける毎日。
心の安まる場所など、何処にも存在しなかっただろう。
香織の家が旧家であったばかりに、児童相談所に通報される事もなく、周りの大人は見て見ぬ振りを決め込んだ。