貴方の愛に捕らわれて

「あ゙ぁ!?母親に渡してたってどういう事だ」



怪訝そうな表情から一変、眉間にシワを刻み鬼になった猛さん。



『……食費といいますか、家賃?みたいな……?』



普段よりも低い重低音で問われると、ヘビに睨まれたカエルのように萎縮して、答える声も尻窄まりになる。



「何でお前が家賃を払うんだ」



ギラギラとした獰猛な光りを宿した切れ長の瞳に、至近距離から睨まれ、びくりと肩が跳ねた。



その威圧感で、身体が硬直して声が出ない。






不意に、視界いっぱいに黒いスーツが広がる。



「悪ぃ。別にお前に怒っている訳じゃないんだ。


ただ驚いてるだけで、お前を怖がらせるつもりはなかった」



硬直した私の頭を、逞しい胸に押し付け、もう片方の手でゆっくりと背中を撫でながら、穏やかな声が耳元で囁く。



 
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