貴方の愛に捕らわれて

「これからはバイト禁止な」




………へ?



唐突にバイト禁止なんて言い出した猛さんに、じんわりと込み上げていた涙が引っ込んだ。



機嫌よく私の髪を梳いている猛さんを、じぃっと見つめれば



「お前の事だから、どうせ自分の食費ぐらいはとか考えてるんだろ」



『…………。』



私の考えなど、全てお見通しと言わんばかりの猛さん。


まさにその通りで、何ともいえない気まずい空気に無言でいると、頭上から「はぁっ」と深い溜め息が落ちてきた。



「やっぱり図星か。

何度でも言うぞ。お前の面倒は全て俺が見る。


俺がそうしたいんだから、おかしな遠慮などするな。いいな」



この話しはもうお終いとばかりに締めくくった猛さんに、私は慌てて食い下がった。



『でも、私をここに置いてもらえるだけで、十分ご迷惑をおかけしているのに、これ以上は』



 
< 213 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop