貴方の愛に捕らわれて

思わず口をついて出た言葉は、疑問だった。



だって、私の為にわざわざ用意された食事。それを無駄にしたのだから、叩かれて当然。



なのに目の前の人は心配そうに私を見つめるだけで、怒りなど微塵も見えない。



しかも、何故謝るのかと言う。



どうしてだか理由は分からないけど、私に向けられる眼差しに、怒りの色が全く見られないことに、畏縮していた心が少しだけほぐれた。



だから上手く言葉にすることが出来なかったけど、猛さんに聞かれるままに、心の内を打ち明けることが出来た。




私の気持ちを聞き出した猛さんは、まるで私に言い聞かせるように話し出した。


「やっぱりお前は悪くないだろ。寧ろ謝るのは俺の方だ。すまん」



『え……。どうして?』



思いもよらない謝罪の言葉に驚愕した。


 

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