貴方の愛に捕らわれて
今日も何時ものように香織の歌を聴いていると、背後に気配を感じた。
不機嫌に何の用だと声をかけると、現れたのは龍二。
龍二は、俺が暴走族の頭をやっていた頃からの右腕だ。
龍二は俺と違って、甘いマスクで女にモテる。
香織には合わせたくなかった。
毎晩、護衛を残して香織に会いに行く事に困った智也が、どうやら龍二に泣きついたようだ。
「こちらの方は?」
丁寧な物言いだったが、不躾な視線で龍二は香織をジロジロと見た。
俯く香織を庇うように、俺は龍二と香織の間に身体を割り込ませた。
龍二の態度に苛立った俺は、下がれと龍二を睨み付けた。