貴方の愛に捕らわれて
ある毎晩、香織は俺の仕事について聞いてきた。
毎日、深夜に現れる俺。
こんな時間まで残業になる仕事とは、一体どんな仕事かと疑問に思ったようだ。
俺は驚きで目を見開いた。
香織は俺の事をカタギの人間だと思っているようだ。
ダークスーツに厳ついガタイ
醸し出す雰囲気
どこからみても“ヤクザ”だろう。
世間知らずなのか、鈍いのか……
香織が気づいていないのなら、敢えて正体を明かす必要はない。
曖昧に答える俺に、香織はそれ以上、詮索する事はなかった。
そんな関係が2ヶ月ほど続いた。
香織はバイト先で見かける猫の話しや、学校での出来事を、少しずつ話すようになった。
話しの内容から、やはりバイト先は水商売ではないようだ。