貴方の愛に捕らわれて
 

は、はずかしい…。聞かれるままに答えたけど、なに普通にノロケているんだろう。



普段は、そこに居るだけで息苦しいまでの威圧感を放ち、その冷たい瞳に睨まれたら、一瞬で心臓を凍りつかせるような人なのに、私の名を呼び、その逞しい腕に囲う時は、とても穏やかな雰囲気に変わるから、安心感に包まれる。



向けられる熱い眼差しを思い出せば、恥ずかしさで身を捩りたくなる。



首まで真っ赤にながら俯けば、聞こえるはずのない痺れるような低音ボイスが耳を擽った。



「香織」



猛さんの優しい腕の中が恋しくなって、幻聴が聞こえたのかと思った。



ゆっくりと顔を向けると、ここに居るはずのない恋しい人が、こちらに大股で向かって来る。



『……猛…さん?』



驚きのあまりにかすれた声で大好きな人の名前を呼べば、あっという間に逞しい腕が腰を捕らえ、腕の中に収められた。


 
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