貴方の愛に捕らわれて
 

なのに由香里は、私が遠い昔に諦めた友達との“楽しいお喋り”恋バナを邪魔しないでと、男二人に文句を言いながら私に屈託のない笑顔を向けてくる。




その笑顔を見ていたら、胸がぎゅうっと締め付けられ、鼻の奥がつんとして涙が溢れそうになった。



なんだか分からない高揚感に戸惑っていると、由香里は楽しそうに絡んでくる。



高ぶる気持ちを抑えるよう、小さく息を吐き出すと、好奇心の塊みたいになった由香里に答えた。



『好きな人はいるけど、龍二さんじゃないから』



「ええ!?マジで?じゃあさ、好きな人ってどんな人?」



『えっと…大人で、凄く大きくて、頼りがいがあって、包容力があって……思いやり深くて、とっても優しい人』



猛さんのことを思い浮かべながら、その人と成りを説明すれば、キャーっと悲鳴を上げてはしゃぐ由香里。



 

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