貴方の愛に捕らわれて
 

騒ぎの詳細を腸が煮えくりかえる思いで聞いているうちに、車は目的地に到着した。



晃達が卒業し、堀田に代替わりして早々の不始末。随分と舐めた真似をしやがる。



香織の身辺警護に関しては、龍二に一任してある。



だから今回の不始末のけじめは、龍二がきっちり付けるだろう。だが、それだけでは腹の虫が収まりそうにない。



腹の底からこみ上げてくる怒りを抑える事なく、迎えにでた焔虎の新幹部を睨み付ければ、俺の姿を認めた男の顔が、まるで紙のように真っ白になり、驚愕の表情を浮かべて固まった。



さっさと案内しろとイラつく俺の気持ちを代弁して、龍二が低く唸る。



男はカタカタと小刻みに震えながらも、保健室と書かれたドアの前まで、俺達を案内した。



震える男を無言の圧力で退け、扉に手をかけた。



 

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