貴方の愛に捕らわれて
工場の仕事は午後6時から12時まで。
仕事が終われば誰もいない家に帰り、バイト先でもらった余り物のお弁当を食べて寝る。
そんな一人ぼっちの夜が寂しくて、私はほぼ毎日、帰り道の途中にある小さな砂浜に寄り道をする。
ここで真っ暗な夜の海を見ながら、心の赴くままに好きな歌を口ずさむ。
これが私の単調な毎日の唯一の息抜き。
その日も、そんな息抜きのために深夜の砂浜で歌っていた。
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