貴方の愛に捕らわれて

工場の仕事は午後6時から12時まで。



仕事が終われば誰もいない家に帰り、バイト先でもらった余り物のお弁当を食べて寝る。



そんな一人ぼっちの夜が寂しくて、私はほぼ毎日、帰り道の途中にある小さな砂浜に寄り道をする。


ここで真っ暗な夜の海を見ながら、心の赴くままに好きな歌を口ずさむ。



これが私の単調な毎日の唯一の息抜き。




その日も、そんな息抜きのために深夜の砂浜で歌っていた。


 

< 3 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop